人材を発掘する方法とは? 再評価されつつある人材発掘方法を解説!

人材を発掘する方法とは? 再評価されつつある人材発掘方法を解説!

長年景気が低迷する中、新型コロナウイルスの影響などで、大手中小問わず企業では多様な働き方とフレキシブルな組織再編が望まれています。そんな昨今、「人材発掘」が見直され始めています。企業にとっても、従業員にとってもメリットのある人材発掘とは一体どのような方法で行うべきなのでしょうか。今回は、人材発掘の方法や、そのメリットなどを解説していきます。

「人材発掘」とは

そもそも、人材発掘という言葉を聞いたことはありますか?経営戦略を考えるポストや、人事部にいなければあまりなじみのない言葉でもありますので、聞いたことがないという人も多いでしょう。人材発掘というのは、「社内であまり評価を集めていなかったり埋もれていたりするものの、実は優秀である人材を新たに発見し、ポストやポジションを見直すこと」を指します。

基本的に日本の企業では、採用コストの多くが即戦力を基調とした「求人」と「選考」に割いています。しかしながら、外部から即戦力人材をひっぱってくるよりも、すでに組織内にいる人材から戦力になる人材を発掘し、新たに空いたポジションに就かせる方が合理的です。こうした時に役立つのが、人材発掘という考え方です。

日本企業では「人材発掘」がフォーカスされづらい

本来、マネジメントが適切であれば、採用段階でこうした人材発掘は行われているべきですが、日本では新卒一括採用でスキルが不透明な学生を横並びで採用しています。こうした十把ひとからげの採用戦略では、本来の適性とはちがった部署への配属も往往にして起こりがちです。

とくにある程度の規模を誇るそれなりに大きな企業では、経営者がすべての人材の実力を把握しづらく、プロセスがあまり重要視されないという弱点があります。そのため、こうした大きな組織ではローテーション人事といって、2〜3年おきにまったくちがうポストに一定の人材を異動させて、浅く広いパラレルキャリアを身につけさせるという習慣があります。しかしながらそれでは異動させるたびに認識のずれや無理解による混乱や衝突が発生して大変非効率です。

そうした時に人材発掘というセオリーをもっておけば最適な人材を最適なポストへ就かせることが可能になり、組織運営がより合理的に回り、現場で仕事においての違和感も生まれにくくなります。しかしながら、組織に対する忠誠を重視し人材の囲い込みを行ってきた日本企業では、こうした合理的な考え方はあまり重視されていません。

人材発掘の方法:適切な社内面談を重視しよう

人材発掘の具体的な方法としては、各現場、各部門別における指名や推薦をあげてもらう方法があります。日本企業では勤続年数や勤怠など数字でのみ評価する傾向にありますが、人材発掘のうえでは、直接現場での仕事ぶりやスキル、適性を見ている部門からの推薦が一番信頼できるでしょう。

人材には営業に優れている人、事務仕事や裏方作業に向いている人、プログラミングに強くシステム構築が得意な人、経営や管理に向いている人、それぞれの特徴と適性があり、現場側からの推薦であれば、そうした特性を重視したポジションの再編においてより合理的かつ最適な人材を配置できます。

とはいえ、現場単位からの推薦だけでは、各現場にいないと回らない人材を他の部署に回したくないという事情から、適正な人選が行われない場合もあり得ます。そのため、ある程度現場や部門ごとの推薦に任せつつも、人選には経営陣などマネジメントサイドの人間を入れておきますと、より客観的かつ公平な、会社の方針にもマッチした人材を選ぶことができるでしょう。

具体的なプロセスとしては、有意義な社内面談を円滑に進めることです。たとえ現場で見知った顔同士だったとしても、マネジメント側と従業員側が丁寧かつ真剣に社内面談を進め、納得のいく適正なポジションへの異動を目指していくことに尽きます。

人材発掘のメリット:従業員のストレスやフラストレーションを防げる

人材発掘の大きなメリットとしては、従業員のストレスやフラストレーションの蓄積を防ぎ、最適なポジションで最高のパフォーマンスを発揮してもらうことです。

日本企業には、とくに優秀な人材を適切に評価するシステムが育ちにくい土壌があります。その土壌は、昔ながらの終身雇用制度と、横並びの新卒一括採用によって醸成されました。こうして適正な評価や異動が行われない状態が続けば、従業員は自分の適性に見合わない部署への配属によってストレスやフラストレーションがたまってしまい、休職や退職などで組織離脱してしまう可能性が高まります。

今後ますます実力主義とキャリアアップを目指す転職があたりまえになることで、企業の組織編成も見直されていくでしょう。こうした世の中では、現行の人事では従業員の離脱を招くだけです。人材発掘によって組織内での適性によりフォーカスしていくことで、適性やスキルを見直して優秀な人材を再評価することは、隠れた優秀な人材をくさらせず離脱を防ぐ意味でも重要になっていきます。

まとめ

以上、人材発掘の方法とメリットについてひととおり解説しました。組織で働くうえで、人材発掘によって適正にスキルや適性を見抜いたうえでの人材配置が行われれば、従業員にとってもマネジメントサイドにとっても風通しのいい組織となり、気持ちよく働けるようになるでしょう。

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